ep11: sunrise
- 関根 優実
- 2022年9月27日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年6月21日
Beyond Mandara
曼荼羅 -Who am I?- 11のモチーフが持つ物語。

先月完成した曼荼羅-Who am I?-は刺繍の作品。自分の為にお守りのようなものを作りたくて手を動かした。日々何を大事に思って何を活力にしているのか考え、私が幸せになるものを糸で描いた。面白いのは動くたびに新しい表情を見せるところ。生活に馴染む一枚に毎日元気をもらっている。
私の特徴の一つに、作ったものがすぐ「過去」になるというのがある。飽き性で、完成したものに興味が持てないのだ。どんどん先に進みたくなってしまうけれど、なんだかこれは勿体無いと思った。同時に寂しさも感じた。そこで、完成して終わりではなく新たなアプローチをし作品を存分に楽しみたいと思い「Beyond Mandara」を開催するに至った。9/7〜27までの奇数日に曼荼羅に描いた11のモチーフを題材に書く「Beyond Mandara」。投稿は夜の6時。
EP11: 朝日

「Beyond Mandara」最終回EP11は朝日。山の谷間からジリジリ登る朝日を見ると、自分がいかにちっぽけで小さなことに悩んでいたかを思い知らされる。
曼荼羅を作る前、私は詩集「ここで佇むことにする」を完成させ、販売作業など何かと忙しく過ごしていた。実はそのタイミングでなんとコロナにかかり全てをストップさせなければならなくなった。休憩の仕方がわからず動きまくっていたから、強制的に休めと言われた気がした。体は休まったけれど、止まるのが怖くて心は忙しなく働いていた。やっといい波に乗れてきたのにここで止まりたくはないと思った。それは何故かというと、私は来年から移転することを決めていたからだった。来年新しい場所で始まる新たな人生に、自信を持てなかった。まだ足りないまだ足りないと自分を追い詰めていた。その時は、理想と比べず今の自分を愛することを完全に忘れてしまっていた。もう一度自分を見直して自信をつけたい。そのためにとにかく手を動かそうと思った。手を動かして何か自分の宝物になる制作をしたかった。売るでも展示でもなくただ自分だけの為に。そうして自宅療養期間中から曼荼羅制作がスタートした。手を動かし作っている瞬間は、先の心配などしている暇はなかった。それどころか完成していくにつれて、自分を取り戻していった。療養期間が終わり家から出れることになって最初にしたことが、朝一番に刺繍糸を買いに行くことだった。ワクワクしたし、夜山にかかった霧が晴れていく感覚があった。心で朝日を浴びてやっと、コップに半分入った水を「まだ半分しかない」と嘆いていた自分から「半分も入っている」と満たされた自分に変われた。これは、「自分を信じさえすれば日は何度も昇る。夜悩んで自分を責めるようなことはするな。」と言い聞かせる朝日なのだ。
突如始まったBeyond Mandaraいかがだったでしょうか?曼荼羅Who am I?にある11のモチーフを題材に書くブログの旅。発信するための文章をこんなにコンスタントに書くこと今までなかったので、ハードだったけどライター気分で楽しい一ヶ月でした。書き溜める予定が、やはり投稿当日の朝に書く羽目になったのも私の計画性のなさが出ましたね。もともとのモチーフから派生して話していた回もありましたがそれはそれで、ライブで書いた証みたいで良かったと思っています。何より自分が突発的に考えたことを最後までやり切れたことがシンプルに嬉しいし、その思いつきに付き合って読んでくれたみなさんには、本当に感謝しています。ありがとうございました。

Thank you for reading.
2022/09/27 18:00
Fin.
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