ep3: spending time alone.
- 関根 優実
- 2022年9月11日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年6月22日
Beyond Mandara
曼荼羅 -Who am I?- 11のモチーフが持つ物語。

先月完成した曼荼羅-Who am I?-は刺繍の作品。自分の為にお守りのようなものを作りたくて手を動かした。日々何を大事に思って何を活力にしているのか考え、私が幸せになるものを糸で描いた。面白いのは動くたびに新しい表情を見せるところ。生活に馴染む一枚に毎日元気をもらっている。
私の特徴の一つに、作ったものがすぐ「過去」になるというのがある。飽き性で、完成したものに興味が持てないのだ。どんどん先に進みたくなってしまうけれど、なんだかこれは勿体無いと思った。同時に寂しさも感じた。そこで、完成して終わりではなく新たなアプローチをし作品を存分に楽しみたいと思い「Beyond Mandara」を開催するに至った。9/7〜27の奇数日に曼荼羅に描いた11のモチーフを題材に書く「Beyond Mandara」投稿は夜の6時。
EP.3 無花果

「Beyond Mandara」EP3は無花果(イチヂク)。待ってました無花果!果物の中では彼女が一番。

無花果はフェミニンさがありながらもちゃんと重たくって姿も味も深みがあって、、私はそんな女性になりたいなと思う。無花果の、直感で選ぶ色のセンスがたまらない。実物を観察しながら見えた色を刺繍していけば、その艶麗さが脳に伝わる。憧れの人を聞かれたら無花果と答えても怒られなければいいのに。
私はなんと言っても朝が一番好きな時間帯なのだけどその朝に必ず用意するのが、気分を上げる朝食と夏でもあつあつのコーヒー。この、気分を上げる朝食というのが他でもない無花果トーストだ。スーパーに無花果が並び始めた夏の始まり、値段が高くても迷わずカゴに入れてしまった。パンに無花果を乗せて焼き、少しのメープルシロップとクリームチーズを乗せて食べる私の極上モーニング。夏のパワーフード。このトーストを朝ホットコーヒーと楽しんでいる時間ほど贅沢で、孤独を楽しめる時はない。喩えるなら早朝まだ外が暗い中お気に入りのワンピースを着て近所の湖まで歩く道中、見逃したくない瞬間にいくつも出逢ってそれを湖畔で詩にする間、太陽が顔を出し私に一番に語りかけてくれるような。(もっとも近所に湖などありはしないが)
孤独というのは一人寂しく過ごす間(ま)ではなく、ひとり充分すぎる自身と味わう究極の流れ星のようなものだ。一瞬で儚いけれど、物語の主役になる部分。無花果はいつも極上の時間へのささやかな切符となってくれる。
私の雑誌Miguel(ミゲル)のバックナンバーで『時』と題した号がある。その表紙を務めたのもまた無花果だった。少しずつ食べながらシャッターを切り、最後には無くなってしまう。19歳の時作った雑誌だ。今久しぶりに読んでみたが、味わい深い時間ときっかけが詰まった素敵な一冊だった。cuteなポストカード付き。(詳しくはこちらをクリック。)
大切な誰かと過ごす時間には夜、生ハムとオリーブオイルで丸め白ワインで乾杯したい。次のパーティーメニューに追加しようかな。
Thank you for reading.
▶︎次回は9/13 火曜日
2022/09/11 18:00
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