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ep1: Shape of sun.

  • 執筆者の写真: 関根 優実
    関根 優実
  • 2022年9月7日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年6月22日

Beyond Mandara

曼荼羅 -Who am I?- 11のモチーフが持つ物語。


先月完成した曼荼羅-Who am I?-は刺繍の作品。自分の為にお守りのようなものを作りたくて手を動かした。日々何を大事に思って何を活力にしているのか考え、私が幸せになるものを糸で描いた。面白いのは動くたびに新しい表情を見せるところ。生活に馴染む一枚に毎日元気をもらっている。

私の特徴の一つに、作ったものがすぐ「過去」になるというのがある。飽き性で、完成したものに興味が持てないのだ。どんどん先に進みたくなってしまうけれど、なんだかこれは勿体無いと思った。同時に寂しさも感じた。そこで、完成して終わりではなく新たなアプローチで作品を存分に楽しもうと思い「Beyond Mandara」を開催するに至った。本日(9/7)から(9/27)までの奇数日に曼荼羅に描いた11のモチーフを題材に書く「Beyond Mandara」。投稿は18:00!是非最後までお付き合いください。

EP

  1. 太陽


1日目は中央に鎮座する大きな太陽の話。真ん中の丸には十色、周りの24の光はひとつひとつ違う配色を施した。曼荼羅を作るにあたって、中央のモチーフは太陽しかないと思った。捻くれた性格の自分が「安直ですね」と口を挟んだが意志は変わらなかった。陽の光が部屋に差し込まない日は、朝起きる理由が見当たらない。私は太陽にゾッコンなのだ。そんな太陽にまつわる話をひとつ。

小学生の頃のある日、授業中窓際でずっと空を見上げていた私は太陽の形を知りたくなった。教科書で見るあの写真や日食のときみた輪郭が、本当の形だとはどうしても思えなかった。真剣に見続けたらほんの一瞬でも姿を表してくれるのではないかと期待して、燃える太陽を見続けた。ちょうどその頃国語の授業では恒例の「丸読み」が行われていた。台詞続きで何やら盛り上がっている。気にはしていたものの私は太陽の形を見ようと真剣なので当然順番が来た時にはどこの何?といった具合。おまけに目が使い物にならない。あーーとかえーーーとかって時間を使っていると先生のムッとした顔が見えてきた。「よし見えてきた」でも今どこなのかちんぷんかんぷん。と思いきや教科書に赤ペンで印が、”せきね”と書いてあるではないか。びっくりはしたものの勢いでそこを読めば自然と授業は進み、私のドキドキなど始めから無かったことになった。隣の席を見ると感謝しろよと言わんばかりの男子の顔があった。苦手なタイプだった。いや、嫌いなやつだった。なのに笑顔で「ありがとう」を言った後何故嫌いだったかが全く思い出せない。その後太陽の形があるならあいつの威張った顔や私のありがとうの笑顔なのかもしれないとそんな抽象的なことを思った。



Thank you for reading.   

▶︎次回は9/9金曜日「植物」

2022/9/7





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