流れ出した血液
- 関根 優実
- 2020年3月1日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年6月23日
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新しくバイトが始まった。自営業で雰囲気の良いお店だ。働き始めて1ヶ月だが、何の不満もない快適なバイト先が決まりホッとしている。普段から体を動かさない私には良い運動の時間だ。新しく知り合う人と話すときに厄介なのが自身の説明。学生の文字を使えないのが何とも面倒なのだ。相手は初めムッと理解できない様子を浮かべる。こればっかりは場数を踏むしかないようだ。
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今まで東京→愛知→東京→愛知と身も心も落ち着かない活動をしていたが、最近やっと自分のリズムを掴んできた。地元に制作腰を置き、じっくりと良いものを作ろうと考えるようになったのだ。そう思えたのもきっと今制作してる作品のおかげなのだろうと思う。この話は後程。
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今月に入ってから急激に通うようになったカフェがある。アトリエの三階に似て天井が高くたっぷりと自然光が流れ落ちる創り。高い天井は溢れる思考を押し潰さない。~IMOM cafe~
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懐かしい再会は胸がグゥっと温まる。中学の頃の友達にずっと連絡できていない子が一人いた。高校時代年賀状の返事を送り損ねて以来なんだか申し訳なさと色々でもやっとしていた。ラインも知らないので勇気を出して送り思いの丈を綴った手紙とMiguel magazineを郵送した。返事を待つ四日間は何だか苦しくて不安だった。後悔の波がやって来た時インターホンが鳴った。彼女からの大きな茶封筒が届いたのだ。今漫画家を目指して絶賛奮闘中だと私への手紙を漫画にして送ってくれた。私たちは愛知県民の誇りコメダで待ち合わせをした。勇気は出すものだなぁ。
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ブラジルにいるはとこに初めて会った日もあった。彼の祖母が戦時中ブラジルに渡った為、彼はブラジルで生まれ育った。彼は大阪の大学に留学していて、是非私たち関根家に会いたいと言ってくれた。名古屋を案内だなんて全く自信がなかったが、名古屋城を巡りたくさん話をした。彼はブラジルよりも日本で生きていきたいという強い願いがあった。しかし家族に反対されているらしい。涙がこれまでの彼の苦労や経験を物語っていた。少し誤りつつも果敢に挑戦する彼の日本語は、普段私が扱っている言葉や思いをもう一度考えさせる力が宿っていた。彼の望みが叶う日が来れば良いと強く私も願っている。
先月私は悩み呆けていた。幸せから作品が作れないのかという旨の文を覚えているだろうか。やってみることにしたのだ。今私が表現できるもの、したいものは、今ある感情や経験のみだ。幼馴染で親友の梨那と共に言葉のインスタレーション(個展)を5/2,3に開催することが決まった。梨那は身体表現で作品と一体化する。私の中にある創りたいの血がやっと、流れ出したのだ。ゴロンと動き出すというよりずっと不安に止血されていた血液がじわっと流れ出した感覚に近い。
急にスピードをつけたからか現実の左足ふくらはぎをつったのはどうでも良いことだ。
自分を感動させることを目標にまた3月からの制作も魂を込めて行っていこうと思う。四月に入ったらまた宣伝を暑苦しく行うと思うが少々辛抱していただきたい。流れ出した血液を固めないように暖かくして冬の終わりを迎えよう。
優実
Thank you for reading.
2020 2 29
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